もうひとつの沖縄問題(003)
沖縄問題は在沖米軍問題だけでは無い。
もうひとつの沖縄問題は、沖縄の北方領土、即ち
【奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島】を代表とする【北緯二十九度以南】
の琉球弧の分断問題である。
沖縄の人間は実にお人好しだ。
自分の庭を荒れに荒らされても何処吹く風だ。
自分の庭を荒らされている事に気付かないのか、気付きたくないのか。
さて僕ら島人が、内地人とか大和人とか呼ぶ時に、
【奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島】の人々を指すのか。
決して指さない筈だ。
本家の鹿児島県人はどうだろうか。
【奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島】の人々を鹿児島県人と呼ぶのだろうか。
甚だ疑問である。
僕の幼馴染みは僕にこう言った。
【奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島】を沖縄に戻す事に何の意味があるのか、と。
僕は彼を説き伏せるのに苦労している。
つまりは、僕の感ずる【もうひとつの沖縄問題】の痛みが彼には欠片も無いのだ。
【奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島】を沖縄に戻す事は、
僕の裡を流れる琉球の血の叫びである。
琉球の矜持は僕を叱咤する。
歪な統治を正せ、理不尽な行為を赦すな、同胞の意味を理解しろ、と。
鹿児島県と日本政府が、沖縄の痛みを知る事は決して無い!